ペットの栄養について

人に飼育されているペットにとっては、人から与えられる食物だけで生命維持をしている状態です。

飼い主さんがペットに必要な栄養を摂取させ、その健康を維持する努力を怠ってはいけません。

①タンパク質、②脂質、③炭水化物(糖質)、④ビタミン、⑤ミネラル、⑥水

すべての栄養素がそれぞれの生命体に合った配合バランスで摂取することが健康維持につながります。

一応、ペットフードはそれぞれのペットに適した栄養をバランスよく配合してありますので、副食・補助食品として何か与えなくてはならないということはないハズなのですが、中には不足している栄養素がある場合もあります。(ペットフードには人間のような法で定められた安全基準などありませんし、その販売価格もさまざまです。つまりは… 粗悪なものもあるのです。)

それを飼い主さまが管理するためにも、ペットの栄養に関しての知識を得ることは必要なのかも知れません。

また近年流行っているようですが、手作りで給餌する場合にも栄養に関しては知識が必要です。

 

①タンパク質

 各組織の成長、修復、酵素やホルモンとしての働き、重要なエネルギー源。

 必須アミノ酸以外のアミノ酸は動物体内で合成ができるので、必須アミノ酸は食物から摂取が必要。

  • トリプトファン
  • リシン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • トレオニン
  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン
  • ヒスチジン

 人には上記の9種が必須アミノ酸です。

 犬・マウス系には、この9種+アルギニンが必要。

 猫・魚類には、この9種+アルギニン+タウリンが必要。

 鳥類には、この9種+グリシンが必要。

 ※犬はタウリンを体内で合成できますが、猫は不可能ですので食物からのタウリン摂取が必要です。

  また猫は肝臓内の酵素活性が非常に高く、犬の約3倍のタンパク質が必要です。

  アルギニンの欠乏は重度のアンモニア中毒を起こし、死につながる場合もあります。

  また、タウリンが欠乏すると網膜変性、失明、猫によっては心筋症を引き起こすこともあります。

 

②脂質

 カロリー源として最高の栄養素。健康な皮膚や毛の潤いにも影響する。生殖機能にも関与。

 必須脂肪酸は体内で他の脂肪酸から合成できないので、食物から摂取が必要です。

 

  • γ-リノール酸(オメガ6系脂肪酸)
  • アラキドン酸(オメガ6系脂肪酸)
  • α-リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)
  • エイコサペンタエン酸 (EPA、オメガ3系脂肪酸) 
  • ドコサヘキサエン酸 (DHA、オメガ3系脂肪酸)

 ※人や犬などはγ-リノール酸をアラキドン酸に転換することなども可能だが、猫には不可能なので食物からのアラキドン酸摂取が必要です。

  α-リノレン酸からEPAやDHAに合成できる場合もあるので、α-リノレン酸の摂取は重要です。

 

③炭水化物(糖質)

 食物繊維としての整腸機能(便秘・下痢)には有効です。糖質は肥満の原因になりうる。

 犬や猫には特に必要ではありません。

 

④ビタミン

 ビタミンは、細胞交代のバランスを保ち、病気に対する抵抗力を高め、酵素システムの重要な要素。

 ミネラルを骨や歯の構成要素に変換するのを助け、赤血球の生成や、生殖作用にも影響。

 油溶性と水溶性があり、体内で蓄積されない水溶性ビタミンは毎日摂取が大切。

 犬や猫は体内でビタミンCを合成できる。

 猫はビタミンB1を合成できない、またβ-カロチンからビタミンAの合成もできないのでビタミンB1・Aそのものの摂取も必要。

 

⑤ミネラル

 骨・組織の発達や、身体のさまざまな生理機能を正常に保つためになくてはならない栄養素。

 

⑥水

 栄養学上で軽視されがちだが、健康維持には重要。体温や食欲の調整などにも影響。

 猫の水分必要量は犬よりも少ない。尿の濃縮機能が非常に高く、水分喪失を抑え、少ない飲水で体を維持できる。

 (泌尿器系疾患発症の要因でもある。)

 


鎖骨について

~解剖学講義~伊藤 隆先生著~
「鎖骨は胸郭上口の前で水平にある長い棒状の骨である。
外側1/3部は太く扁平で、前方に凹の弯曲を示すのに対して、内側2/3部は柱状で前方に凸弯するので、鎖骨は全体として緩やかなS状の弯曲を呈する。
内側端(胸骨端)は太く肥厚し、胸骨と連結して胸鎖関節をつくる。
外側端(肩峰端)は肩甲骨の肩峰と連結して肩鎖関節をつくる。
鎖骨は外側端で肩甲骨(肩峰)と連結し、肩甲骨と上腕骨のあいだにできる肩関節を胸郭から離れた位置に保つ。
この結果、肩関節における上腕骨の運動(とくに前後運動)は胸郭によって妨げられない。
このように、鎖骨によって、自由上肢は胸郭から離れた位置に保たれ、肩関節における広い範囲の運動が可能になる。このことはヒトの特徴となる。」

 

人は前後左右に可動域がある腕を持っています。これは鎖骨のおかげなです。

では鎖骨のない動物はどうなのか?

当然、前後にしか動かせません。

動かせる構造になっていないのに無理に動かすと激痛、脱臼、骨折になります。

飼育するペットに鎖骨があるかないかで足の取扱いに注意が必要になります。

犬、猫、牛、馬等の前足の走る機能を高めた動物は鎖骨がありません。

猿、ハムスター、ウサギ等の器用に前足を使って餌を掴んだりする動物には鎖骨があります。

ペットを可愛がるあまり我が子(人間)同様に取り扱いますが、骨格の違いは理解して触れ合わなくてはなりません。



ペットたちの体温

  • 犬 37.5~39.0℃
  • 猫 38.0~39.2℃
  • ウサギ 38.5~40.0℃ (理想的環境温度18~23℃)
  • ハムスター 36.0~38.0℃ (環境温度18~21℃)
  • モルモット 38.3~40.0℃ (環境温度18~26℃、21℃が最適)
  • フェレット 37.8~40.0℃ (理想的環境温度15~21℃、30℃以上は危険)
  • チンチラ 38.0℃前後 (理想的環境温度10~15℃、25℃以上は危険)
  • 鳥 ・・・ (理想的環境温度25~30℃)
  • 爬虫類 変温動物 (飼養種類によるが昼間温度27~28℃、夜間温度24℃が平均的)

 ペットの種類によって若干データには前後があります。

 それぞれのペットに最適な飼養方法・環境を心掛けてあげてください。

 湿度にも敏感に反応するペットもいますのでご注意ください。

 


鳥の飼い主への十戒

鳥の視点から ―TSUBASAホームページより―

  1. 私は10年かそれ以上生きるでしょう。飼い主と別れるのは大変辛いのです。お家に連れて帰る前にその事を思い出してください。
  2. あなたが私に望んでいることを理解する時間をください。
  3. わたしを信じてください。-それが私の幸せにとって重要なのです。
  4. 長い間私に対して怒らないでください。罰として閉じ込めたりしないでください。あなたには仕事と娯楽があり友達もいます。私にはあなたしかいないのです。
  5. 私に時々話しかけてください。あなたの言葉が理解できなくても、話しかけてくれればあなたの声はわかります。
  6. あなたがどのように私を扱っても、私はそれを忘れません。
  7. 私を叩く前に、私にはくちばしがあってあなたの手の骨をたやすく噛み砕いてしまうこともできるということを思い出してください。でも私は噛みません。
  8. 私を協力的でない、ガンコ、だらしないと叱る前に、そうさせる原因があるかどうか考えてみてください。たぶん適切な食べ物をもらっていないか、ケージにいる時間が長すぎるのです。
  9. 私が年老いても世話をしてください。あなたも年をとるのですから。
  10. 私が最後に旅立つとき、一緒にいてください。”見ていられない”とか”自分のいないときであってほしい”なんて言わないで。あなたがそこにいてくれれば、どんなことも平気です。あなたを愛しているのだから。

TEN COMMANDMENTS OF PARROT OWNERSHIP
-From a parrot’s point of view- By Jane Hallander

 


猫の十戒

第一戒 私の生涯はだいたい15 年くらいしかありませんが、たまに20 年以上生きてしっぽが裂けます。ほんのわずかな時間でもあなたが離れていると腹が立ちます。私が家族になってやるので、そのことを覚悟しなさい。
第二戒 あなたが私に望むことを理解するつもりはありません。待っても無駄です。
第三戒 私を崇拝しなさい。私にとってそれが一番大事なことなのです。
第四戒 私を長い時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしてはなりません。でも狭いところは好きなのでダンボール箱を用意するのは許可します。あなたには仕事や楽しみもあり、友達だっているかもしれませんが、私のお世話をすることに勝る悦びはないはずです。
第五戒 私に話しかけなさい。あなたの話していることが何かはどうでもいいですが、話しかけるあなたの声はわかるのです。ほめ言葉は特に。
第六戒 あなたが私にどんなふうにしてくれたか、私は決して忘れません。恨みは倍返しします。
第七戒 私をたたいたりする前に思い出しなさい。私の歯はあなたの手の骨をかみ砕くことぐらい簡単にできるのに、気が向いたときにしかかまないようにしていることを。
第八戒 私が言うことを聞かないと怒る前に、まずは自分に問い掛けてみなさい。たっぷり食事を与えてましたか? それは私の好きなシーバですか? 日なたで気持ちよく昼寝をしているのをじゃましませんでしたか? もしかすると年を取って体が弱ってきているのかもしれませんが、どのみち私がしたいことに従わないほうが悪いのですから、あきらめなさい。
第九戒 私が年をとっても世話をしなさい。あなたも同じように年をとりますが、私は年をとってもかわいいのです。
第十戒 最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送りなさい。「かわいそうで見ていられない」とか「私のいないところで逝かせてあげて」なんて言うのは許しません。なでなさい。なで続けなさい。かわいいね、いい子だねと言いなさい。言いまくりなさい。そうすれば私は着換えの時間を少し短くしてやってもよいです。まあ、気が向いたら。

https://www.jpc.or.jp/nagasaki/archives/59/ 公益社団法人 日本愛玩動物協会より


犬の十戒

第一戒 私の生涯はだいたい10 年から15 年です。あなたと別れるのは何よりもつらいのです。私と暮らし始める前に、どうか別れのことを考えておいてください。
第二戒 あなたが私に望むことを理解するまでには、少し時間がかかります。
第三戒 私にとって一番大事なことは、あなたから信頼してもらえることです。
第四戒 私のことを長い時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないでください。あなたにはあなたの仕事や楽しみもあり、友達だっているでしょう。でも、私にとってはあなたがすべてなのです。
第五戒 私にちゃんと話しかけてください。あなたの話している言葉の意味はわからなくても、話しかけてくれるあなたの声はよくわかるのです。
第六戒 あなたが私にどんなふうにしてくれたか、それを私は絶対に忘れません。
第七戒 私をたたいたりする前に、私はあなたを噛んだりしていないことを思い出してください―私の歯はあなたの手の骨をかみ砕くことぐらい簡単にできるのに。
第八戒 私が言うことを聞かないと怒る前に、なにか原因があるのではないかと考えてみてください。食事はちゃんとしているか、かんかん照りの日なたに置き去りにしてないか、年を取って体が弱ってきていないか、と。
第九戒 私が年を取ったら、どうか優しく世話をしてください。あなただって、年老いたら同じようにそうなるのですから。
第十戒 私が旅立つその時を安らかに迎えられるように、どうか最期まで一緒にいてください。「かわいそうで見ていられない」なんて言わないで、私を独りぼっちで逝かせたりしないでほしいのです―だって、私はあなたが大好きなんですから。

https://www.jpc.or.jp/nagasaki/archives/59/ 公益社団法人 日本愛玩動物協会より